2015.09.04
野球肩(リトルリーガーズショルダー・上腕骨近位骨端離開)の症状と治療について(1)
「野球肩」
耳にしたことはありますか?
野球肩とは、広義の意味では野球選手が肩を痛めた際に、総称として使われる場合があります。
狭義では、成長期の野球選手が罹患するものを指す場合が多いです。
今回は「リトルリーガーズショルダー(上腕骨近位骨端離開)」について説明します。
まずは、構造のお話から。
肩関節は、上腕骨と肩甲骨から成り立っています。
骨組織だけでは、安定性を維持出来ないため、関節唇と呼ばれる軟骨が、骨同士の適合性を補助しています。
肩の関節は可動性が非常に大きく、肩甲骨の動きに補助されることで、自由にグルグルと動かすことが可能です。
球関節の特徴ですね。
投球時には、肩の関節に対して、捻れる力が加わります。
これはボールの質量と、体幹が回転する際のエネルギーの方向性によって導かれます。
体重移動が完了し、いざ回転運動が始動し、回転力が体幹から上体に移行し、「腕を振る」瞬間に、かなり強い力が関節にかかります。
上腕骨は内旋位から外転、外旋しながら、やや水平伸展し、さらに外旋していきます。
体幹の回転力が上体に伝わっていくことで、肩甲骨は内転、肩甲上腕関節はやや水平伸展、最大外旋位へとシフトしていきます。
その際に、伸張性の水平屈曲トルク、伸張性の内旋トルクが発生します。
そこから、短縮性の水平屈曲トルク、短縮性の内旋トルクへとシフトします。
この瞬間に、筋肉や関節にものすごい力がかかるのです。
それだけ強い力なので、大人であっても、関節や筋肉などがダメージを受けます。
では、成長期の野球選手ではどうでしょうか?
もちろん、筋力は大人に比べれば劣ります。
ですが、成長期には「骨端線」と呼ばれる構造的弱点があります。
骨端線と呼ばれる成長軟骨は、骨が長軸上に成長していく時に、必要不可欠な軟骨組織です。
いわゆる「野球肘」でも、成長軟骨のお話をしましたが、
上腕骨の近位端部(肩の近く)にも、骨端線が存在しています。
骨端線の強度は、関節周囲の靭帯などと比較すると、強度は1/2~1/5しか無いと言われています。
そのため、投球時の剪断力や捻転力によって、骨端線が損傷を起こしやすいのです。
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